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ゼミでやりたかったけどできなかったこと


 私の大学時代の友人が鎌倉のある病院でケースワーカーをしていました。彼は大学を卒業してずっと某大企業のサラリーマンをしていたのですが、早めに会社を退職してこの仕事を始めていました。しかも、彼は大船の柏尾川沿いに住んでいて、私が柏尾川沿いを歩いて通勤するときに毎朝のようにすれ違っていたのです。ときどき帰りがけに駅で出会うとそのまま飲みにいったこともありました。飲んでいるときにこんな話が出ました。

 その友人の病院では、長期の入院患者とその家族のために、いくつかの講座を開いているといっていました。手芸とか詩吟とかのコースとともにパソコン教室もあったのです。
 それを聴いて、私はある企画を提案しました。
 それは、高校1年生のゼミの時間として、その病院でのパソコン教室の指導を高校生たちにさせてみてはどうかという提案でした。
 つまりうちの生徒達と一緒にパソコンを学ぶという教室を病院で実施できないだろうかというものでした。高校生の女の子と一緒ならきっと患者さんたちもはりきって勉強するだろうと思ったのです。

 ただパソコンの操作を学ぶだけでなくて、患者さんたちの「自分史」をつくってそれをホームページにするというようなことを目標にやれたらいいと思いました。患者さんたちの人生を聞き書きしながら、それに写真を取り込んだり、ホームページにする技術を身につけていったら、患者さんたちと高校生たちのかなり深いレベルでのコミュニケーションが成立するし、それは患者さんにとっても高校生にとってもとても役に立つのではないかと思ったのです。今だったらもちろんブログにしたでしょう。

 この企画はなかなかいいと友人のケースワーカー氏も賛成してくれました。それで具体的にすすめようとしたら、とても悲しいことにその友人のケースワーカー氏は急死してしまったのです。今から3年ほど前のことでした。

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「ザ・ウェーブ」ロス先生の歴史の授業から


「ザ・ウェーブ」モートン・ルー著 小柴一訳 
「The Wave」Morton Rhue, Dell Publishing, 1981


ロス先生 この物語は、1969年、アメリカのパロアルト州で実際に起こった事件をもとにして書かれた小説である。
 高校の歴史を教えているロス先生は、授業でアウシュビッツの強制収容所のドキュメンタリー映画を見せた。生徒達は口々にこんなことがどうして起こるのか信じられないと疑問を口にした。
 そこでロス先生はある実験授業を試みる。その実験授業は、まず歴史の授業を作りかえることからはじまった。ロス先生が提示したモットーは3つあった。
 まず第一に「規律をとおして力を」授業を規律あるものとするために、姿勢を正し、質問や答えを発言するときには、机の脇にまっすぐに立ち、「ロス先生」と呼ばせることから始めた。生徒はこれによって予習をしてくるようになり、授業への参加度も高まってきた。
 第2に「共同体をとおして力を」。共同体で目標を定め、その目標を達成するために個人を犠牲にして目標のために献身することを生徒達に求めた。
 第3に「行動を通して力を」彼はこの運動を「ザ・ウェーブ」と命名し、旗印を定め、運動員同士に敬礼することを求めた。さらに運動員証を発行し、運動員は運動員を増やす目標達成に献身しいるかどうか、規律に違反していないかどうかを相互に監視する制度を作る。
 そしてこの運動はやがて、クラスを越えて全校に広がっていくが、やがてこの運動への参加を拒否する少数派への嫌がらせと暴力をつくりだす。知らず知らずのうちにファシズム的な状況を作り出していくのである。

 個人の自由と尊厳を標榜するアメリカンデモクラシーの中でさえも、いかにたやすくファシズム的状況を作り出し、集団の暴力を生み出していくのか、この実験授業はそれを証明しているのである。
 こんな実験授業をやってしまうアメリカの教育のすごさと恐ろしさをつぶさにみてしまった感じである。

 この結末は、実際に小説を読んでいただくとして、この小説の主人公はローリーという新聞部の生徒であった。彼女ははじめはこの運動を評価するのだが、やがてどこかがおかしいと批判する記事を新聞に書き、嫌がらせを受けることになる。

 私はこの小説を抜粋したプリントを作り、高3の「倫理」の授業で生徒達と事態を予想しながら読むことをした。その授業のテーマは「アウシュビッツと現代」である。
 授業の流れとして、この新聞部の生徒のような働きをナチスの支配下のドイツで行った若者たちがいたことを続いて紹介する。「白バラ通信」の若者である。
 最近またこの「白バラ抵抗運動」の映画が作られて、上映されている。
 これについての紹介はまた改めてすることにしよう。

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もしもあと24時間のいのちであったなら

中3の「総合」の授業の「いのちのうた」シリーズの最後に「もしもあと24時間のいのちであったなら、あなたはその24時間をどう過ごしますか?」という問いかけをしました。
よくやるように生徒に一枚のカードを配り、これに匿名でその答えを書いてもらい、それを全部そのまま読み上げるというやり方です。
あなただったならばどのような答えを書きますか?

中3の生徒達は次のような答えを書いてきました。
いくつかをあげてみましょう。

●ママとパパに会いに行く。部活の友達に「ありがとう」っていう。
●家にいる。のんびりと過ごす。
●温泉に入り、今までの人生とふり返る。好きなものを食べまくる。例一切れ10万円のステーキなど。音楽を聴き、本を読む。遺言を書く。
●手紙を書く。2〜3人の友人だけに死を告げ、静かなところでひとりになる。死の直前に睡眠薬を飲む。
●テレビ局に行って死ぬ瞬間を特別に全国放送してもらって有名人になる。
●自分の好きなものを食べて好きなことをして過ごす。食べたことのない高級品も食べておきたい。
●すぐに家に帰って、家族とおtもに過ごしてお礼を言う。自分の気持ちを伝える。
●お金を借りて豪遊する、もしくは死期を早める。
●海に行く。
●この世に未練を残さないように、やりたいことはすべてやる。(できるところまで)
●24時間アニメを見続ける。
●普段通りに生活して(勉強はしないで、趣味をして)あと1〜2時間になったら寝る。
●愛し合う。金をすべて使い切る。
●友達にあって、「今までありがとう」と感謝の意を述べて、後は家族と一緒にいたい。
●自分を忘れないでいてもらいたいために一番大事な人と一緒に過ごす。
●友達と親にサヨナラって手紙を書いて、岡田准一と会って握手をしてもらったら満足。最後の1時間はバクスイして死ぬ。
●残っている財産全部を使って、くたくたになるまで遊び続ける。
●24時間おいしいものを食べ続けて、ずーっとテレビ見て過ごす。後好きなアーチストの曲を寝ながら聴きまくる。
●死ぬ準備をする。
●温泉に行ってたこ焼きを食べながら、TVを見続ける。
●告げる。
●FMと恋人になって、デートをする。
●すべての友人と会ってひとりずつ一語でもいいから言葉を交わす。
●家族に感謝を述べたあとは、自分の部屋で好きな音楽を聴きながらひとりで過ごす。
●ケーキを買い占める、やり残したことのないようにする。
●いつもと同じように過ごす。今の一日一日が楽しいから。
●最後の想い出づくりをして過ごしたい。
●大好きな作家、マンガ家の大好きな小説とマンガを心ゆくまで読んでゆっくり過ごす。
●絶対寝ないで、思い残したことをする。
●眠ります。
●買い物をする。
●最初の1時間で遺言を書く。ずっと家で過ごして心残りなことを全部やる。人に見られたら困るものを全部燃やす。
●家族と慶ちゃん、友達に「ありがとう」をいって、カラオケに行って歌ってビデオを見てMDきいて好きなことをする。
●自分にとって大切な人にお礼を言ってから自然のなかを散歩する。
●寺島さんに会いに行ってサインをもらう。メロンを食べる。買い残した本をすべて買う。Nとキャッチボールをする。100本ノックを冥土のみやげにやってみる。先輩にご挨拶。もう一度寺島さんに会う、バッチリ!
●周囲の人に気づかれないように、悲しませないように、誰にも気づかないところにいく。でも心は愛する人を思っているかもしれない。
●ひたすら何かおいしい料理を作って家族全員で食べ、話しをする。一人っきりはイヤだ。
●好きな人に好きと伝えます。今まで一緒にいた大切な人と会って、ありがとうとか、楽しかったことを話したい。
●普通通りに過ごす。いつもどおりに。あと、好きな人に会いに行きます、そして一緒にいたい。
●甘いものを吐くまで食べ続けます。
●好きなものをすべて食べ尽くしたい。もうダイエットの心配もする必要ない。
●愛する人に1ヶ月後、2ヶ月後と月に一度ずつ送ってもらう手紙を書き続ける。
●大切な人のために祈り続ける。
●ホイップクリームを死ぬほど食べる。
●中1まですんでいた地元に行き、小学校や公園などの想い出の地にいったあと、ラーメン屋に行ってお昼を食べ、そのあと家に帰って大好きなカレーを食べる。
●愛する人のそばにいる。
●結婚して子供を作るよ。あ、でもうめないかあ。
●死ぬのがイヤだから、年越しそばを長いっぱい食べて少しでも寿命を延ばす。
●一睡もせずに遊ぶ。嫌いな人を好きなだけののしって去る。そしてちょっとした悪事をはたらいてみる。あと会いたい人に会ってさよならを言っておく。
東京ディズニーランドを借り切って思いきり遊ぶ。
●スカイダイビングで飛行機から飛び降りる、もう失敗して死んでも恐くない。
●昨日バスの中に落とした定期券を藤沢に取りに行く。
●とりあえず寝る。そして食べまくる。ひたすら食べて食べて、食べて食べて食べて、そして世界一の幸せ者になっておなかいっぱいになってしずかに眠る。
●宇宙を自分の目で見てみたい。
●運命に逆らってみずから命を絶つ。
●髪を染めたり、ピアスをしたりして、まったく違う自分になってみたい。それとおいしいものを食べたい。
●自分の存在を忘れさられないように何かを残したい。
●半日を友人や家族、大切な人と過ごして残り半日は秘密基地のある浜で泳ぐ。
●お星様に会いに行きます。
●昔の日記とかを処分してあとは普通に過ごす。
●身の回りを整理して、ノート一冊を用意して、できるだけたくさん遺書を書く。あとは好きなことをして正座して死ぬ。
●オープンカーに乗って行きたいところにすべていく。 

「かわゆい」というか「たあいもない」というか……………。彼女たちの心の奥底にあるものの一端が伺えたような気もします。

この問いかけには3つのタイプの答えが出てくると亀井勝一郎という人が述べていました。
ひとつは、悲しみと悔いの一日をパニック状態になって過ごす。
二つ目は、快楽の奴隷になる。つまり食べることなど自分の欲望をできるだけみたそうとする。
三つ目は、せめて最後の一日だけは悔いのないように過ごしたいと願い、それを実行する。

それとやはり「普段通りに過ごす」というのも結構多いようです。

この問いかけに対する答えは、「心の奥底にある深い望み」が何であるかをかいま見せてくれます。
やはり彼女たちにとっては「食べる」ことなのでしょうか。

この問が、24時間ではなく、あと1ヶ月、あるいはあと1年であったなら、そしてあと10年であったならば、どういう答えになるでしょうか?
「明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐が吹かぬものかは」なのですね。
人生本当は明日はないという気持ちで今日一日を生きていくのがいいのかもしれません。でもそうすると彼女たちはきっとすぐに肥満になってしまうのでしょうか。

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